音楽教室で生徒が演奏する曲にも著作権使用料がかかる？
2022年10月24日になんと最高裁までもつれ込んだ、音楽教室にてレッスンする楽曲に対する著作権料を支払う様にJASRACが求め日本国内250もの音楽教室が訴えた裁判が結審し、音楽教室に通う生徒がレッスン時に使用する楽曲に対して著作権料金を生徒側が支払う必要は無い、という判決が下されました。
しかしここでは全て音楽教室側の主張が認められたわけではありません。
少し解釈が難しいのですが、音楽教室の生徒がレッスンで演奏する曲は公衆に聞かせる為ではなく、演奏技術の習得の為に演奏するので、著作権料の支払い義務はないという判断です。
生徒さんからは頂きません。でも先生からは頂きます。
しかし先生が生徒に課題曲を教える場合は先生側（雇用している音楽教室側）は公衆に対して演奏している為、著作権料は発生する、と JASRACの主張が通った形になります。
もう屁理屈にしか聞こえませんが、音楽教室の先生は誰も（不特定多数）が音楽教室に入りたいと希望を出せば入会出来ますので公衆と規定できるというJASRACの主張が認められたのです。
これによりレッスン中に生徒側がレッスン曲を演奏する際は使用料は発生しないが、生徒に教える為に先生が演奏する同じ楽曲に対しては著作権料をJASRACが請求出来る！という事が確定致しました。
先生が生徒に教える楽曲に対して著作権料を支払い義務が生じると、音楽教室の先生や先生を雇用している音楽教室の運営法人はカラオケを歌うか如く、一定の割合でJASRACに楽曲に対する著作権使用料を徴収する方向になるのかも知れません。
またJASRACが管理していない楽曲については権利者に直接交渉をすることになりますので非常に厄介です。
今後先生の演奏に対する著作権使用料の請求をどのように行うか？ということは現状確定しておらずJASRAC側が音楽教室側に支払の方法を提案し両者で協議する事と思います。
カラオケ好きの方からは頂きます。でもピアニストからは頂きません。
またJASRACは2016年4月以降、カラオケ教室やボーカル教室から著作権使用料の徴収を開始しているため、何が違うのか？という波及効果もありそうです。音楽教室でボーカルレッスンを行っているところはどの様に対処するのでしょうか？カラオケは文化芸術的要素が低いので認められず、ピアノ教室は芸術性が高い為、著作権使用料金は支払わなくて良いという主張が認められている（そうでは無いか？）のは合理的な気もしません。
今回の裁判の結果については音楽教室に通う生徒さん側は著作権使用料の支払いは回避できましたが、音楽教室側にとって今回音楽教室内での先生による演奏が著作権侵害となることが確定した事はかなり影響が大きいと思います。
音楽教室側がいう最悪の事態は免れたが、先生の演奏についてはJASRAC側に著作権使用料を支払う事が決まったので生徒さんや音楽教室の生徒が支払う月謝に乗せて支払う事になるのか、先生が教室運営者に支払うのかは法人によって対応が割れそうな気もします。
まとめと私の意見
ミュージシャンにとって著作権、印税などは決して無料や不法に使用される事を許してはなりません。しかしながら音楽教室は音楽を演奏する者、楽しむ人が集う場です。
ここで演奏や音楽を楽しむ人からあまりに強引な徴収は避けるべきでは無いかと思います。
著作権使用料は税金とは違いますから、脱法や節税対策的な事をするのもどうかと思います。
私の立場としては正直今までJASRAC側が主張していた月謝に対する2.5%の音楽著作権使用料を支払うという金額よりは少ない（1%程度）の金額で徴収し、ミュージシャンに支払って正しくミュージシャン、作曲者に還付をいただければと思います。
ここで問題なのはJASRACが正しく歌手、作曲者、演奏家に著作権料を支払っているのか？という問題です。ここが出来ていないので、JASRAC様はミュージシャン側からも音楽を楽しむ側からも嫌われちゃっているのでは無いかと思います。（このブログは私個人の主張をしております。）
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